かなり大きな家です

家を建てるときの不安の中でも、新築住宅を建てるときに発生するトラブルを、実体験に基いて、できるだけ解消する方法を述べます。

 

土地を購入して、自分の思い描く家を建てるのは、一生に一度あるかないかのイベントというか大切なことですよね。

何しろ、費用もかかり、ローンを組んで家を完成させ、その後はローンを払っていくのですから、大変なできごとです。

22年も前のことになりますが、夫と私がどのようにハウスメーカーと戦ったかをお伝えして、これから新築で建てる人のお役に立てばと希望します。

 

22年前の工事請負契約書の第1条を引用すると、

注文者(以下甲といいます。)と請負者(以下乙といいます。)は、おのおの対等な立場において、互いに協力し信義を守り、誠実にこの契約を履行するものとします。

工事請負契約書とこの約款および添付の設計図書にもとづいて、乙は工事を完成させて契約の目的物を甲に引渡すものとし、これに対し甲はその請負代金を支払うものとします。

土地を購入し、軽量鉄骨の住宅メーカーを選んだ理由

1995年の阪神淡路大震災のとき、私達は、名古屋市に住んでいました。

そのときは、名古屋でも震度3で、テレビ画面で燃える街が映し出され、犠牲者数がどんどん増えていくのを見て、自分が家を建てるときは、木造ではなく軽量鉄骨で建てようと思いました。

 

翌1996年春から、家を探し始めました。

新聞折り込みチラシに掲載されている物件を見ても、2階に洗面台がないとか、タンスをまとめておけるスペースがないとか、気に入りません。

どうせローンを抱えるのだから、土地を買って、家を建てることを考えました。

 

場所は名古屋市郊外で、偶然見に行った所が、土地区画整理組合が販売している鉄道の駅から4~5分の所の保留地が残っていたので、そこを仮予約して帰りました。

保留地なので、仲介手数料はなく、22年前の6月に土地を正式に購入し、これからどのメーカーで建ててもらうか近くのモデルハウスを巡りました。

 

それで、E社の軽量鉄骨の住宅を建てることにしました。

E社は、今でも毎日テレビでコマーシャルを流している誰もが知っている大手の住宅メーカーです。

 

しかし、上記の第1条が守られることは、一度もなく、本当にこんなことがまかり通っていていいのかとさえ思う辛すぎる記憶です。

他の住宅メーカーも同様なことをしているのか、知りたい気さえします。

 

住宅メーカーとの契約が不幸の始まり

6月下旬にE社のモデルルームで、初めて営業担当者に会い、それ以後自宅などで、打ち合わせをし、6回目の7月下旬に、今日は大安で、日がいいから、白紙の契約書に署名・捺印してもらい、後日記載したものを持ってくるからと言って、契約書を持ち帰ったのです。

 

その後4回、設計や内装担当者を交えての打ち合わせをしました。

この頃から、おかしくなり始めました。

打ち合わせの度に、当然細かな変更箇所は出てきます。

その訂正した図面・仕様書を一週間後にお持ちすると言ったので、どこにも出かけないで待っていたが、連絡なし、すっぽかされたのです。

大手のメーカーが、お客との予約を連絡もなく、無視するのです。

どれだけ緊張感のない2企業なのかと思うと、情けない限りです。



トラブル回避のポイント①:

十分打ち合わせを重ねて、信用できる住宅メーカーかどうか考えてから、契約する。契約を焦らせるような住宅メーカーは、ダメです。

 

かわいいお家、何でできているのしょうか

 

その3日後、担当者と会い、こんな失礼なことをしてやる気がないなら、解約させてもらう、上司を呼んで営業方針を聞きたいと言ったら、涙を流し、謝罪し、このまま契約を続けさせてほしいと言いました。

図面が前回の打ち合わせ通りに訂正されていないので、毎回手書きで良いから、打ち合わせ確認書を作成してほしいと伝えました。

しかし、それが実行されたのは、この日だけだったのです。

どうして私が、このE社の社員教育までしなければならないのでしょうか。

 

非常識な住宅メーカーの対応で、トラブルの闇の中へ

これ以降は、怒涛のごとく間違いと不誠実の連続で、なんと1年もE社の異常なやり方に振り回され、体まで壊し病気になりました。

E社が繰り返した異常なことをすべて書こうとすると、3年くらいかかりそうです。

やってほしいことをやらず、やってほしくないことをやる、契約したら、手のひらを返したように、連絡を拒み、注文者のことを悪く言ったり、上層部が担当者がそんなずさんな仕事をしていることを把握していないのです。

 

年が明けて、1997年1月下旬、引渡し前の住宅の最終確認でしたが、また希望してないタイプを勝手に施工しており、いろいろ説明不足による不具合があり、とても引渡しを受けられる状態ではありませんでした。

この日の上層部を含めた話し合いで、こちらとしては、正当な業務の提供を受けられなかったことは、業務および作業の手抜きであるため、減額に値すると主張するが、E社の事業部長(出席者の中では最高責任者)は、「こういうことは、金額がでない」とぽろっと言ったのでした。

まるで、あなた達が、いくら騒いでも金額がとれないんだ、というような傲慢な勝ち誇ったような言い方でした。

この何とも言えない注文者を舐めた感覚の物言いで、話し合いにもなりませんでした。

 

打開策を提案しない住宅メーカーとついに、裁定機関へ

結局第三者(裁定機関)に判断を委ねることにしました。

そのときも、E社の部長は、「どこか良い所(裁定機関)知りませんか」とまるで、レストランを物色するようにお気軽に言ったのでした。

 


トラブル回避のポイント②:

住宅メーカーとの打ち合わせ確認書を毎回作成させる。

まともなメーカーは、打ち合わせ確認書は作って、すぐに渡すはずです。

言った言わないの違いが、大事になる可能性もあります。

 

トラブル回避のポイント③:

最初から詳細な経過のメモを必ず残しておく。

裁定機関を探す

それから、私達は、名古屋市の無料の弁護士相談に行きました。

無料法律相談は、30分だけなので、要点をまとめて解りやすくしておく必要があります。

私達の相談に当たった弁護士さんは、年配の実直な方で、「住宅メーカーは、かなりえげつないことやってる。N社なんか、ひどい、ほんとうに注文者が泣いていてかわいそうだ。あなた達、この問題はやり方間違えると、大変なことになるよ」とアドバイスを受けました。

 

因みにN社も大手住宅メーカーで、よくテレビコマーシャルを見ます。

一体建設業界ってどうなっているんだと思いました。

建設工事紛争審査会への申請

そして私達が選んだ裁定機関は、建設工事紛争審査会でした。

E社は、大臣許可の建設業者でしたが、管轄を愛知県にして、争うことになりました。

 

申請費用は、2万円程だったように記憶しています。

申請時での書類も相当な枚数になり、証拠書類も第29号まで添付しました。

こういった裁定期間に提出するときは、経緯やこちらの申請の理由等できるだけ詳しく書いた方が良いです。

次の12項目が、申請書に書いたE社の業務上の問題点です。

反対に、これらの項目に当てはまらなかったら、かなりまともな業者だと判断できると思いますので、皮肉なことにメーカーを見極めるチェックリストになります。

住宅メーカーを見極めるチェックリスト

  1. 工事請負契約書第1条の著しい不履行
  2. ミスが多いので、頼んでも打ち合わせ確認書を作成しない
  3. 必要な電話連絡およびあらゆることに関して適切な説明がない
  4. 設計図面・仕様書の勝手な変更・またその説明がない
  5. 書類等に単純なミスが多い
  6. 注文者の承認がないまま一方的に決定し発注、またその決定日についての説明がない
  7. 承認図面・仕様書を注文者に渡そうとしない
  8. 設計、営業、工事各担当者の発言が異なり、社内で一貫性がない
  9. 注文者の要望を無視する非常識な言動
  10. ずさんな現場監督と無機能な社内検査
  11. 図面・仕様書と異なる勝手な施工
  12. 上層部が乗り出してきても改善されない業務体質

テーブルときれいな花です

 

申請を提出した日、少し待たされましたが、申請書が受理されました。

なぜかとても嬉しかったのをはっきりと覚えています。

受理されたということは、申請内容が裁定に値するということですから、すなわちE社のやったことは、審査する必要があるということなのです。

 

この審査会の開催を待つ間、納得できるレベルまで補修させ、不本意ながら工事代金の残額を払って、新居に転居し、家族の正常な生活を取り戻し、改めてE社の責任を審査会で問いたいと考えました。

審査会開催へ

そして、申請から2ヶ月後、書面で審査委員3名の氏名と第1回の審査会の日時場所の通知が届き、申請から3ヶ月後の5月下旬が第1回目の審査会でした。

 

審査委員は、弁護士1名、建築の専門家2名で、それぞれその業界のベテランの方でした。

引渡し後も、続々不具合が発生していたので、弁護士さんがすべてをこの審査会で解決しましょうと言ってくださいました。

本当に両者を平等に扱ってもらったと思っています。

 

私達のケースは、審査会の中でも調停として扱われ、5回目で結審しました。

その間双方が意見や事実を記した書類や証拠書類も追加提出しますが、E社は、なんと読めないようなかすれたコピーになっている書類を提出するのです。

これで大企業かと思いますよね。

審査委員や私達にも失礼なことです。

 

審査会の調停での結審は?

5回目の結審のときに、審査委員の弁護士さんが、「あなた達の主張する通りなんです。本当にその通りなんです。しかし、過去の判例に照らし合わせて」と調停での解決金額を言われました。

こちらが求めていた金額には届きませんでしたが、E社の主張していた金額をはるかに超えていました。

 

あなた達の主張する通りなんです、という弁護士さんの言葉で溜飲を下げることができました。

はっきり言って、E社の負けだと思っています。

E社がやらなければならない図面や書類のチェックや設備の点検をこちらがしたのです。

このような裁定機関に持ち込まれた企業名を公表したら良いのにと思います。

 

こうして1年におよぶ戦いは終わりました。

結論として審査会に持ち込んで良かったと思っています。

それ以後、もちろん定期点検等で、E社との付き合いはありました。

相変わらず、言ったことをやらない体質は変わっておりません。

社員もどんどん辞めていくようで、今はE社が建てた家に住んでおりませんが、二度と関わりたくない会社です。

これを読まれて、せっかくのマイホーム造りを私達のように、辛い思い出にしてほしくありません。



どうしても知っておいて欲しいこと

このようなずさんな住宅建設になる背景を、私達一般人も理解しておく必要があります。

1984年以降、建売であろうと注文住宅であろうと、建物を設計した建築士が「確認」し、「監理」した建築士が「検査」をすれば、その結果に対して役所が証明書(建築確認通知書と検査済証)を発行する制度に変わっています。

建築確認通知書には、注文者と一面識もない設計者の名前と、建設現場に一度も足を運んだこともない工事監理者の名前が書いてあることが多いです。

現実に、我が家の工事監理報告書にはいろいろ虚偽の記載がありました。

トラブルになったから、気づいたのです。実際の現場監督は、下請けの工務店の人でした。

我が家のようなケースがまかり通っているのです。

確認申請書には、有資格者の名前を書きながら、実際は無資格の人間が監理に当っているのです。

の現実を知っておくべきです。

そこで、絶対お勧めしたいことは、建物診断をする会社等に工程毎の検査を依頼することです。

家を建てるのにさらに別の費用がかかるのは、大変だと思われるでしょうが、住宅メーカーの暴走を防ぐのは、これが最大の防御です。

一般人は、設計や建設の専門的なことは、よく解りませんから、自分でやれることには、当然限界があります。

プロに対抗するには、プロの知識、経験が必要です。

しかも、住宅メーカーと一切関係のない検査会社に自分で依頼しましょう。

住宅メーカーに遠慮する必要はありません。

検査会社に聞くと、住宅メーカーの検査は、所詮社内検査なので、甘いと言います。

住宅メーカーと関係のある検査会社だと、メーカーに有利な結果にするかもしれないからです。

 

トラブル回避のポイント④:

第3者機関、たとえば建物診断をする会社に最初から、費用を払ってでも工程毎の検査を実施してもらう。

回避のポイント⑤:

万一の場合に備え、住宅建設に詳しい相談できる所を知っておこう。

 

自由設計で建てたいと考えておられましたら、どうぞ良い家を建ててくださいね。

 

次は、個人で家の賃貸契約書を交わすときにすることという記事です。ぜひ読んでくださいね。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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