「高血圧はほっとくのが一番」松本光正著(講談社+α新書)を読んで、高血圧を気にせず内科にもかかっていないことに安堵しました。
目次
血圧を気にしてはいけない!
特に中高年になると、健康診断で血圧が高い数値が出て、要精検になってしまう人もおられると思います。
私も低血圧だったのが、会社の健康診断でいきなり160を超えていて、3回も計り直すことになり、もちろん要精検になって、それ以来、血圧に振り回されてきました。
上腕式血圧計を購入して計ったり、測定時の音が恐怖になり、サイレントの手首式の血圧計をまた購入して、ここ数年は計りもしていません。
この「高血圧はほっとくのが一番」という本をもっと早く読んで、正しい見解を知っていたら、あんなに気にする必要もなかったのに、と残念に思うのと、血圧を気にせずなんにもしなかったこの数年は、正しかったと思うと嬉しくなります。
血圧は気にしないほうがいい。むしろ、気にしてはいけない。血圧を気にすることは、それ自体ストレスであり、そのマイナス思考が、かえってさまざまな病気を招くのだ。
8年間で50も下がった基準値
2000年からの8年間で血圧の基準値が50も下がりました。
このことは、中年以上の人は、記憶している方が多いと思います。
以前は、最高血圧の値は、実年齢+90と言っていましたが、いつの間にか130だと世間では通っています。
最近はこの値では低すぎるので、147にするらしいです。
しかし、147と150でどう違うのでしょうか。
一見基準値が厳しくなるのは、健康に配慮しているような錯覚を覚えますが、そうではなく、降圧剤を飲む人が増えているだけなのです。
そのため1980年代の終わり頃からの20数年間で、降圧剤の売上は、5倍になったのです。
日本は、世界の40%もの薬を消費している。その量は、アメリカに次いで第2位だ。一人当たりに換算すると、日本が1位である。世界一薬好きな日本人が、最も多く飲んでいるのが降圧剤であることは、あまり知られていない。
恐ろしいほど日本人は、薬を飲んでいるのです。
というか、処方されるから飲まされているという側面もありますね。
しかし、健康的な生活は、薬を飲まないで生活することだと思います。
なんだか、おかしいですよね、こんなに薬を飲んで日本人は健康なのでしょうか。
高血圧=脳卒中というイメージだけが残ってしまった
詳しいことを知らない私のような一般人は、このイメージを持ち続けています。
戦後は栄養状態も悪く、農作業、土木作業、家事労働にしても肉体を酷使していたので、たやすく血管が破れる脳溢血が多かったのですが、1970年代に脳梗塞の死亡者数が、脳溢血のそれより多くなってしまったのです。
脳卒中というのは、脳梗塞、脳溢血、くも膜下出血などの総称です。
降圧剤の副作用の恐怖
・降圧剤は、脳梗塞の発症を倍にする。
脳梗塞は高血圧が原因といわれるが、そうではない。むしろ、血圧の低いときに起こる疾患である。
・降圧剤服用者は、非服用者に比べて、がんによる死亡危険度が1.14倍になる。
・降圧剤で血圧を下げると、認知症になる確率も増える。
上述のように、降圧剤の副作用は怖いです。
飲まなくていいのなら、飲まない方がいいです。
塩分と高血圧は関係ない
高血圧の人は、塩分を控え目にという世界でとっくの昔に非常識になったことが、日本では今もそのまま信じられていて、医療機関でも、塩分控え目の指導をされます。
一般的な食事をしていれば、何も減塩する必要はないそうです。
血圧は個性である
①下げられる一方の基準値が、まったくデタラメ。
②血圧が加齢や体調によって高くなるのは、理に適った体の反応。
③それを無理やり薬で下げるから、脳梗塞やがんなどの重大疾患が起きやすくなる。
ただし、最高血圧が200を超える極端な場合と心臓に持病がある場合以外、気にしなくてもいいのです。
この本から分かったこと
降圧剤に関しても、医療界、産業界、学術界いろいろな分野の利権がからんでいて、現在広く行われている降圧剤処方が適切かどうか疑問が残ります。
日本では、時代背景や状況の変化を伝えることなく、昔のままの 高血圧=脳卒中の引き金、高血圧=塩分の摂り過ぎ という負のイメージが信じられています。
高血圧を気にしている人、降圧剤を服用している人は、素晴らしい本ですので、ぜひ「高血圧はほっとくのが一番」を読んでみてください。
※記事中の引用は、すべて本書からです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。